星を見てれば

▷書きたいことを書く

山本亮太とTravisJapanとデビューについて

山本亮太が好きだった。


宇宙Sixのセンターの、ちっちゃい体で大きく踊る彼が好きだった。
30歳になっても「俺たちはデビューするんだ」とギラギラとした目つきの彼が好きだった。
KAT-TUNに興味を失いかけていた私をもう一度コンサートに足を運ばせてくれたのが彼のダンスだった。双眼鏡で探すのはいつも彼だった。金髪の彼は見つけやすくて、そうじゃなくてもあのキレキレのダンスはいつも目を引いた。すぐに見つけられた。

山本亮太が好きだった。宇宙Six山本亮太が好きだった。ジャニーズの山本亮太が好きだった。

彼はもうジャニーズにいない。そして、私の心もポキリと折れた。


私はもう世間で言うジャニオタではない。今までだって、ジャニオタの人からしたら、それではなかったのかもしれないけど、今の私は確実にジャニオタではない。

BSフジのTravisJapanの番組を観た。松倉がメインの回だった。
最後のダンスの完成形を見た時、少し視界がボヤけた。
エンタテインメントがそこにはあった。アイドルというより、彼らは自分たちをエンターテイナーだと思っているのかもしれない。

ピコ太郎(古坂大魔王)が作った曲に6時間で振り付けをつけるという企画だった。途中から観たので、詳細がよく分かってなくて申し訳ない。でもおそらくそう言う企画。

メンバー7人のうち3人がAメロBメロ大サビで振り付けを担当し、メンバー全員でそれを覚え、完成させていく。
私だったら納期が6時間後なんて無茶ぶりすぎてブチギレる。キレずにこなすTravisJapanってすごい。


この辺は体調が悪くボーッと観ていたけど、印象に残った言葉がある。
今回振り付けを担当しなかった松田元太が、松倉の仕切りを聞いている時に納得いかないような表情をしていて、それを見た松倉が「元太どうした?」と聞いたら、

「グループに還元できてない気がする……」

と言った。
松田はep.1のメインだった。ep.1はMIYAVIとのコラボで、私はこれもなんとなく観ていた。録画していないからあんまり覚えていないけど、そのときの松田はすごくイキイキしていて、ああ頑張ってるな〜という印象だった。

松田は友達の推しだから他のメンバーよりも情報に明るいと思っていたけど、こんなに真面目なんだと驚いた。


一気にパフォーマンスについての感想になるけど本当に体調が悪かったので許して欲しい。
でもピコ太郎が来た時はキラメイジャーで博多南兄弟(弟:古坂大魔王)を推していたから無条件で胸がときめいた(この世で一番いらない情報)。


まず練習のときから思っていたけど松田のダンスがうますぎる。キレがあるというか、緩急の付け方がとてつもなく上手い。
全員上手いけど松田だけ少し別格だった。しなやかで、それでいて男臭いのに品がある。着ている服はけみおのジャージなのに。

あと私が好きな松倉はセンターにいるのが映える。ダンスが上手いのはそうなんだけど、なぜだろう。全員上手いのに、松倉が真ん中にいるとしっくりくる。AKBの前田敦子のような。


そして肝心の振り付け、気持ち悪かった!(笑)


これはピコ太郎も言っていた感想だけど、本当に気持ち悪かった。特に冒頭の寝転がっているところ。
ヌメっとしていて軟体動物みたいで、でもきっとそれが狙いなんだろう。まんまと狙い通りに気持ち悪かった。

私はダンスの知識は皆無なので詳しい感想は言えないけど、ただ一つわかることはある。
TravisJapanのダンスは“グループ”としてのダンスなんだということ。

一人一人、ダンスも上手いし、歌も上手い(何人かは少し不安だけど)。けれど、個々の見せ場よりもフォーメーションダンスに拘っている。グループで踊る振り付けだから映える。これはすごいことだ。


TravisJapanはアイドルだ。それなのにパフォーマンスへの妥協がない。正直、アイドルのダンスは顔と曲についてくるものだと思っていた。パフォーマンスをしながらファンにファンサービスをしたり、少しミスしても「かわいい〜」と許される世界。
きっとそれを覆したいのかな、と思った。


コンサートではなくショーを観ている気分だった。


彼らはアイドルとして、顔と曲と愛嬌だけではなく、パフォーマンスも込みで観客に見てもらいたい。そんな思いが感じられた。まあ素人なのでわかりませんが。


そしてこれから先は私の独り言なので流し見してもらってもいい。



私は最初に書いた通り、山本亮太が好きだった。
私の好きな山本亮太は、いつもニコニコしてて、馬鹿で、年上なのに子供みたいで、ダンスが意味わからないくらい上手くて、どこにいてもすぐに見つけられるパフォーマンスをしていた。
でも、それだけが理由じゃない。
デビューしたいというギラギラした欲があった。
目黒蓮SnowMan兼任になり、その後宇宙Sixを脱退、SnowManとしてデビューしたところで、私は山本亮太を追うのを辞めた。
それは「追うの辞めよう!」と決めたわけではなくて、ただなんとなく、ふと気づいたら追っていなかった。

きっとそのあたりでやまりょからの熱を感じなくなったのかもしれない。今思えば。

私は彼のデビューしたいという、ギラギラとした、グツグツ煮えたぎるような憎しみにもとれる欲が好きだったのだ。結局それは叶わずに終わってしまったけど。


TravisJapanにはそれがある。だから、たまにやまりょのことを思い出す。
デビューしたい!というあのギラギラとした光を、彼らの瞳の中に見た。



ジャニーズはアイドルだ。それは世間一般の認知だと思う。ジャニーズはアイドルだ。

アイドルは偶像で、理想でなければいけない。
でも、TravisJapanはアイドルだけど、何か違うものを感じる。それがなんなのか、私にはまだわからない。それを知るのが怖い。怖くて、ワクワクする。


折れかけた私の心は、いまTravisJapanによってまた支えられてきている。だってその何かを知りたいから。