星を見てれば

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続 ブルーフィルムを巻き戻して‐怒りをこめてふり返れ

yunontan0913.hatenablog.com

こちらの記事の続きです。

 

千穐楽を観てからこれを書いている。

初日、19日、22日マチネ・ソワレ、30日千穐楽。合計5公演の観劇。

その中でも22日のマチネ公演はすごかった。演者全員の気迫というか、熱というか、なにかとんでもないものを観ているんじゃないかと思うほど、私が見た中で一番良かった。

この公演の席が最前列の下手だったのもあるかもしれない。近くで観ると圧倒されてしまった。この舞台は下手で観るのが一番良かった気がする。

 

1幕と2幕の感想は前回の記事にあるので、そちらからどうぞ。

 

 

3幕

アリソンとレッドファーン大佐の会話

ここのアリソンはとにかくジミーに似ている。喋り方と言葉の間、そしてそれを無意識にしてしまっていることも。これがジミーとアリソンの関係性を表しているんだと思う。二人は似た者同士。

シアタートークの際、演出を手掛けた千葉さんが、「レッドファーン大佐は数十年後のジミー」だと言っていた。彼も年老いたらこんな風に怒りを落ち着かせてしまうのかな。それはジミーにとって生きているの言えるのかなあ。

アリソンのセリフで「裁判じゃないんだから」とある。アリソンにとっての裁判官は大佐なのかな。ジミーにとってはヘレナがそれ。

大佐はアリソンがジミーに似てきたこと、変わってしまったことに気付いているし、それについて言及もしている。

「お前には彼の言うことがわかるんだろう」そして取り残されるジミーの写真とクマのぬいぐるみ。かわいそうなクマ。

アリソンとクリフの会話

「君、本当に出ていくの?」

このクリフの問いかけって、何もかもが詰まっている気がする。きっとあの奇妙なトライアングルを一番崩したくないのはクリフなのかも。クリフが愛していたのは、アリソンで、ジミーで、そしてこの奇妙なトライアングルだったのかもしれない。完璧じゃない、居心地の悪い空間が、クリフにとってはかけがえのないものなのかな。

手紙をクリフに託そうとするアリソンの言葉。「私は古臭い女よ」

これは1幕のジミーのセリフに繋がる。→「どうも俺には古臭いとこがあって~」 

アリソンが出ていったあと、新聞を読み始めるクリフの表情が見えた。正面からだと隠れているけど、くしゃくしゃに泣きそうになってた。

ロッキングチェアでクマのぬいぐるみを抱くヘレナ・戻ってくるジミー

ここ、多分すでにジミーのことを愛おしく思っているんだよね……。だってあんなに愛おしそうにクマを撫でてる。離れ離れになっていたリスとクマのぬいぐるみをもう一度隣に置いてる。個人的にヘレナの一番悲しいシーンだった。

戻ってきたジミーに言った「アリソンに赤ちゃんができた」というセリフ。これは正真正銘、ヘレナによるジミーへの攻撃なんだよね。爆弾。でもこれもなんか切なかったなあ。

ヘレナに引っ叩かれたジミーの表情が素晴らしかった! 驚き、「信じられない」というような表情から、ふっと絶望する流れ。あの表情、忘れられない。叱られた子供みたいだった。

4幕への転換の時に、窓際でパイプを燻らせながら指輪を外すジミーがかっこよすぎてテンション上がった。あと着替える時も。二の腕ありがとう。

▽好きなセリフ

アリソン

「アメリカのクイズ番組みたいね。64ドルの問題!」

「復讐のために結婚する人だっているのよ」

「精神的な野生児が、私に挑んできた」

「パパは何もかも変わってしまったから傷ついている。ジミーは何もかも変わらないから傷ついている」

大佐

「人はお互いに愛し合って結婚するのが当たり前だと思ってきた。しかしどうやら今の若者にはそれでは単純すぎるんだろうな」

「お前が今やろうとしていることは、大変な事なんだよ」

クリフ

「誰が奴に話すの?」

「この気ちがい病院は俺たちがなんとか続けていくよ」

「誰かが傷つくのは見たくない」

「君が正しいことを祈っているよ」

4幕

ヘレナの服がキャメルに変化しているのは、ジミーへの気持ちの変化なのかなって思った。

 あとアイロン台への向かい方が、アリソンはジミーに背を向けているのに対して、ヘレナはジミーの方を向いている。これ、切ない。

最初、1幕と同じことやってるんだよね。登場人物が違うだけで。クリフのイライラというか、居心地の悪そうな演技、上手かったなあ。ジミーの空元気さと、ヘレナの怯えも。

3人とも居心地の悪さを感じているのに、誰一人としてそれを言い出せなくて。ぐるぐるとくだらない、何の生産性もない日を繰り返していたんだろうか。アリソンが出ていってからの数か月。

ジミーの空元気さと、光のない瞳がとても悲しかった。そこに情熱はもうなかった。だって怒りがない。

ジミーとクリフの歌

 歌詞を耳コピしたので載せておく。

いつか指輪買って誓うのさ 愛を

時代もそう悪くないと

彼女のママは俺を嫌ってる態度

パパに頼む以外はないの

いまじゃ忘れられちまったぜ Middle class

残してよ 真心乱れていたい

天使たちは笑っているだろう

この恋の行方を知るだろう

怖がるな恋をするのを

(彼女はお前より上の人間)

怖がるな恋をするのを

(彼女は 全部お前より上だけど)

 これってアリソンの歌なのかなぁ。ヘレナはこの歌をどんな気持ちで……。

ジミーとクリフの会話

このシーン本当に悲しかった。親友なんだな~って思った。

クリフがわざと明るくさよならを伝えているのが本当に優しすぎて、優しすぎて、つらかった。さよならだけで終わってしまう人生。なんて寂しいんだろう。でもそれって結局はジミー自身の問題であって、引き止めることさえしないからなんだよね。

ジミーがクリフに対して「だらしのない小動物」だと言ったところ。ジミーにとってのクリフがかけがえのない存在だってよくわかる。彼もほら穴の住人なんだ。少なくともジミーの中では。

ジミーがヘレナから手に入れたかったものって、なんだったんだろう。

アリソン登場

ジミー本当にクズすぎて笑った(笑)めっちゃすぐ出ていく(笑)

ヘレナは狂ったふりをしていたんだなあと思った。きっと彼女は誰よりまともで、誰よりも善悪を知っていて、だからこそ狂ってしまいたかった。でも出来なかった。それって生き地獄じゃないのかなぁ。

ヘレナとアリソンって本当に親友だったんだ! って、ここで初めて納得する。だって同じ男を好きになって、そいつの悪口言い合って、笑い合えるなんて、なかなかない。ここの二人が可愛くてかわいくて大好き!

ジミーが戻ってきてからのヘレナが愛おしくってたまらない。あんなに切ない愛の言葉ってない。ジミーの髪の毛をくしゃくしゃにするヘレナのこと、大好き。

ヘレナは出ていくとき、笑ってる。とても綺麗な笑顔でサヨナラする。美しかったな。

ジミーとアリソン

このシーン、一生忘れられないだろうな。アリソンの叫びが痛くて、ジミーの怒りが消えてしまって。

二人はお互いのことを求めているようで、実際は求められたかったのかな。それとも。初めて会ったときからずっと好き同士なのに、どうしてこんなにすれ違ってんだろう。4年も一緒に暮らしてるのにね(笑)

ジミーの一人称が「俺」から「僕」に変わった瞬間、ああこの人は死んでしまった! って思ってしまった。あそこにいるのは生気を失った人間に見えた。

「かわいそうなリス」と言いながら、ジミーは微笑んでる。幸せそうに。なんて演技だろう!

アリソンが自分の手の中に堕ちてきたのが嬉しくて仕方がないような、でも絶望しているような。残酷な演技。

青く照らされた二人はどうなったんだろう。ジミーは賢いから、きっとわかってるんだろうな。

 

全体を通して

息苦しい話だった。客席さえも舞台の一部のようで、初日はずっと心臓がバクバク言っていたのを覚えている。

あの小劇場すべてがほら穴なんだろうと思う。あの三角舞台の屋根裏部屋は、ほら穴で、そしてアリソンの子宮なんじゃないか? と。 

初日に観劇した時、最後のシーンがcali≠gariのブルーフィルムのようで、辛かった。

 あそこの空間にいたのは青春が死んだ若者たちだった。ジミーはきっと誰かの体温と同じになりたかっただけで。ヘレナのキスを受け入れてしまったのも、最後にアリソンと共に堕ちていってしまうところも。まさにブルーフィルムだった。

4幕の終わり、レコードの回る音が、映写機の音に聞こえた。

私は5公演しか観劇できなかったけれど、その帰り道、毎回ブルーフィルムを聞いて夜行バスに揺られていた。

 

もう千穐楽から2ヶ月近く経っている。それでもふと思い出すジミーとアリソンとクリフ、ヘレナ、大佐。もう一度会いたいけれど、私はあの酸素の薄そうな、ほら穴の場所を、知らない。

きっと幸せになれないんだろうな。誰も。

それでも、あの5人にいつか朝日が差してくれたらいいなと願わずにはいられない。

 

だって、朝日は昇るから。*1

*1:ブルーフィルムの歌詞より

ブルーフィルムを巻き戻して‐怒りをこめてふり返れ 

新国立劇場 「怒りをこめてふり返れ」

観劇してきた。

 

前情報は「中村倫也が演じるジミーがただただ何かに怒ってる」ということしか知らなくて、原作を読んでから行こうとも思ったんだけど、原作も見つからず……。

ということでほぼ何も知らない状態だった。

初日と19日の2公演観て、ようやく話の内容やセリフなどもきちんと把握してきたので、つらつらと感想を書き留めておこうと思う。

 

というか中村さん、パーマかけましたよね。初日はかかってなかったからちょっと寂しかった。長めの髪という設定(?)があるから切らずにいたいのかな。*1

 

この舞台は休憩を含めて3時間10分。全4幕で構成されている。

1幕 約50分

2幕 約45分

休憩 15分

3幕 約30分

4幕 約50分

と、こんな感じ。1~4幕、それぞれ分けて書いていく。ネタバレあります。

 

 

 あらすじ

英国中部の大きな町の、とある屋根裏部屋。貧しい下層階級に生まれたジミーは、妻アリソン と、同じ下層階級出身の友人クリフとの奇妙な三人の共同生活を続けていた。ジミーは、政治、 宗教、あらゆる旧世代の価値観や秩序に激しい怒りをぶちまけ、さらに搾取により裕福で欺瞞 に満ちた生活を送る憎むべき中産階級出身の妻アリソンにいらだち罵倒する。善良なクリフは、 ジミーに怒りの矛先を向けられ憔悴したアリソンをやさしくなぐさめるのだった。 殺伐とした生活が続いていたある日、アリソンの友人ヘレナが部屋を訪れる。窮状を見かね たヘレナは、アリソンの父親レッドファーン大佐に連絡を取り、説得されたアリソンは実家に戻る のだが……。

-怒りをこめてふり返れ 新国立劇場公式ページより *2

 1幕

ここではただただジミーが一人で喋っていて、クリフとアリソンに絡みまくる。中村倫也さんのことめっちゃ好きだけどめっちゃムカつく(笑)それくらいジミーがうざい!

でも初日よりジミーの雰囲気が柔らかくなったように感じた。役に馴染んできたのかな。

アリソンが火傷を負うシーン

ジミー「わるかった。わるかったよ。まさか俺がわざとやっ」

アリソン「出てって!」

ここでは「わざとじゃないんだ」と言っている(遮られているけど)。けれどアリソンと二人きりになると、

ジミー「わるかったよ。ムキになった。わざとやった。」

ジミー「俺はさ、俺は、その……、いつだって君のことを見てるし、欲しいと思ってる」

と言う。そして、それまでとは打って変わってしおらしくなるジミー。可愛いにもほどがある。ジミーはアリソンから愛してもらっている自信がない。本当はあんなにも愛されているのに。それについては2幕で。*3

アリソンが妊娠したことを告げた後、ハサミを取るために背を向けたクリフ、とてもショックを受けたように見えた。私はクリフがこの後のシーンで、ジミーとアリソンの邪魔をするのは確信犯なんじゃないか? と思った。

 

▽好きなセリフ

ジミー

「確かに食うのは好きさ。それに生きるのも好きだ」

「まともな人間のまともな情熱」

「ハレルヤ! 俺はここにいるぞ!(生きているぞ!)」

「生きているフリをしようぜ」

「どうも俺には古臭いとこがあって、もうそんなの、誰も求めちゃいないのにな」

あいつだけだ。みーんないなくなった」

「君はまだまだたくさんのことを学ばなければならないんだ」

クリフ

「諦めるにはまだ若い。若いし、素敵だ」

 

そういえば初日にあった、ジミーがアリソンの悪口を言いながら化粧品を床に投げるの無くなったんですかね。*4

 

 2幕

ヘレナとアリソンの会話

 1幕の最後に名前だけ出てきたヘレナが登場。(ジミー曰く)全身Dior。かっこいい自立した女。ヘレナはなんというか、いやな女なんだけど、嫌いにはなれなかったな。妊娠したことさえジミーに怒られてしまうんじゃないかと思って、言えないままでいるアリソン。それに対し「異常だわ」とヘレナは言う。そして、「この家は狂ってる。ジミーから離れるべきだ」、と。

 ここでの会話で気になったんだけど、クリフとアリソンは肉体関係があるのかないのか。アリソンがヘレナに、「私とクリフが抱き合っているところを見たのね」と言うけど、ただ単に抱き合っていただけ?

あと、アリソンがジミーを初めて見たときのことを語るシーン。あそこでヘレナが目をそらすんだよね。伏線だったのかなあ。ここで観客は、アリソンのジミーに対する愛を知ることができるんだけど、ジミーは知らないままなんだよねえ。可哀そう。

ヘレナのセリフで何度も出てくる「聞いて」。これは相手に言い聞かせるような、催眠をかけているような気がした。*5

 

4人で食卓を囲む(囲んでない)シーン

水瓶をガンガンするシーン、本当に心臓に悪い(笑)ティーカップ投げるところも(笑)あそこはジミーのこれまでの孤独や悲しみを語るシーン。そしてアリソンの愛を試すシーンでもある。ヘレナというジミーにとっての”敵”、そしてアリソンにとっての”味方”(あくまでもジミーの中では)の前で、自分を選んでくれるのかを試すジミー。

ジミーがアリソンに詰め寄るシーン、初めてアリソンの瞳に恐怖を見た。

ヒューのおふくろさんが危篤だという電話が入って、狼狽するジミー。「かわいそう」と、アリソンはジミーを抱きしめる。けれど、縋りつくジミーを置いてアリソンは逃げてしまう。*6

このシーンでアリソンの手を食むジミー、可愛かった!

2幕の終わり、部屋に一人きり、椅子に座るジミーがちっぽけで、寂しそうで、抱きしめてあげたかった。

寄り添うリスとクマのぬいぐるみが、また……。

 

▽好きなセリフ

アリソン

「彼が言うには、私は自分が生まれたことにすら気が付いていないんだって」

「彼はずっと光の中にいた。あの人の周りはずっと燃えているようだった。頭の先から光が飛び出しているようだった。とても繊細なのに、あんなにメラメラ燃えて」*7

「ちっちゃな脳のちっちゃな動物になれた。もう、それも死んじゃった」

「この人から苦しみを取り上げちゃダメ。苦しみがなければ、自分を見失ってしまうのよ」

ジミー

「権利ならなんだってある」

「俺は本当に幼いころに、怒りとは何かを知ってしまった。怒りと、そして無力を。それを忘れることはできない」

「ユダ! 裏切者!」

「俺はお前の涙の中にいたい。その中で、歌い、はしゃぎまわりたい」

「俺には君が必要なんだ」

 

▽▽▽

 

ここまでPC書いてたんですけど、続きをスマホで書こうとしたら色々出来ないことがあるんですね。長くなりそうなので3〜4幕に関しては次回に持ち越します。

 

今日、マチネとソワレ続けて見るので、また気づく点が増えるんだろうなあ。

*1:個人的には初日の方が好き。

*2:怒りをこめてふり返れ | 新国立劇場 演劇

*3:ちなみに19日の公演では、この前の『クリフがねずみに似ている』とみんなではしゃぐシーンで、クリフ役の浅利陽介さんが新聞紙を踏んで滑ってた(笑)中村さん、舞台奥から「大丈夫か?ネズミ」とアドリブ。

*4:22日にはありました。たまたまだったのかも。

*5:そして結果的にはアリソンを騙している。

*6:ジミーにとってのヘレナと、アリソンにとってのヒュー(のお母さん)は対になっている。

*7:4幕のセリフに繋がる

星をみてれば

私ね、あゆむくんのこと、好きだった。そりゃもう好きだった。
いや、そんなの知ってると思うんだけど、それでもあゆむくんには全部の好きを伝えることは出来なかったんだろうなって思うと、悲しい。そしてこれからも伝わることはないのが、悲しい。

PIECEが解散して、毎日毎日悲しくて、無気力で、それでも仕事はしなくちゃいけないし、ご飯も食べなきゃならないし、誰かと話さなきゃならないし、なんだかんだで生きてるから、こんなものなのかな。
PIECEの解散によって、何かが変わるなんてことなくて、……嫌な言い方してる。ごめんね。
それでも私の中の何かは死んでしまった気がする。
これからどうしたらいいのか、本当にわからない。私、頭も良くないし、何か秀でているものも持ってないし、目標とか、夢なんてものはもう既に失ってしまっていて、希望とかそんなものもとうに持ってなくて。
なんにも無いのは、あゆむくんよりも、私の方かもしれない。
誇れるものとか、何一つ持ってない。
私の誇りは、あゆむくんのことを好きでいることだった。

私さ、汚いこと考えてたよ。
あゆむくんの1番になりたかった。ずっと。今まで、ずっと。何か特別なものを貰いたかった。
最低だと思う。あゆむくんがそんな人じゃないの、わかってるのに、そうじゃないことを願ってた。
浅はかで身勝手なことを考えていて、ごめん。
だから、ラストワンマン、整理番号1番で入った時、周りの人たちに、ざまあみろって思ってた。
今まで散々好き勝手してたから、こうなったんだぞ、とか、そんなこと思ってた。馬鹿でしょう。
それでもやっぱり、最後の最後に、あゆむくんの一番近くでライブを観れたのは、嬉しかった。嬉しかったよ。

だってさ、今までいっぱい泣いて、なんならあゆむくんの前で泣いたこともあって。れいにゃんもPIECEあがっちゃって、すっごい悔しい思いしてきて、それが報われた気がした。

Lieの時にさ、いきなりあゆむくん目の前に居て、私びっくりしちゃって。それ見てあゆむくんが笑ったの、なんかすごく覚えてる。
ハート飛ばしたら、ちょっと照れてたのも、覚えてる。
最初から最後まで、全部覚えていたいのに、やっぱり日が経つに連れて、ちょっとずつ頭の中から消えていってしまう。
いつの日か、あゆむくんの声も、忘れちゃうのかなぁ。

ライブ中にずっとあゆむくんの手に力が入ってて、何度か唇キツく結んでたの、印象的だった。最後の、あゆむくんの言葉を聞いて、「ああ、あゆむくんはずっと、このライブ中ずっと、罪悪感とか、そういうものに苛まれていたのかなぁ」って、思った。違うかもしれないけど、ふと。
あゆむくん、泣くと思わなかった。泣ける人だと思ってなかったから、びっくりしたよ。
あゆむくん、PIECEのこと、好きだったでしょう。私、知ってるよ。
あゆむくんがもう未練も後悔もないって言っても、あゆむくんがPIECEを好きでいたことは、消えないし、私も忘れてなんかあげない。ずっと覚えててあげる。
もし忘れそうになっても、色んな人に伝えて、誰かの記憶の片隅にでも置いておく。それでも忘れちゃったら……。え、どうしよう(笑)
空でも見て、星を見れば思い出すかな。

格好悪い終わり方でって、言ってたけど、本当に格好悪かった。それでも、私にとっては世界一格好良かった。あゆむくん、世界一格好良かった。最初から最後まで、ずっと格好良くて、本当、格好良くて……。だから悲しかった。
こんなに格好良い人に、もう会えなくなるかもしれないなんて、悲しかった。悲しくて悲しくて死んじゃうかと思った。

アンコールの声も、アンコールして、メンバーが出てきたら、もうそれで終わっちゃうのに、なんでみんなアンコールなんてするの? 私、このライブが終わったらもうPIECEに会えなくなっちゃうのに、なんでアンコールするの? とか、理不尽なこと考えてた。今思い出すと、すごい頭悪い……。

ライブ、楽しかった。友達みんなで最前入れてさ、夢みたい。夢だったのかな。夢だったら良かったのに。
そうしたら、きっとPIECEの解散も夢で、私は今もPIECEのあゆむくんを好きな私でいられて、次のライブを指折り数えて、朝を待っていられて……。
しょうもない。しょうもないことばっかり考えてるなぁ、私。

それでも確かなことは、もうどんなに朝が来ても、PIECEに会える日を迎えることにはならないってことだけで、それだけが確かで、……。
つらいなぁ。本当。

大阪城ホール前でビラ配りしてたみんなに、レッドブル渡したり、あゆむくんには毎回あったかいミルクティー渡して、私の鏡にサイン貰ったね。
郡山でさ、あゆむくん、ボンバーのファンに転ばされて、尻餅ついてた。笑った。そのとき、ワンマン来てって、言われたなぁ。
一ヶ月遅れで渡した、Gadget Growのブレスレット、一昨年の10月31日だったっけ。その二日後の新潟公演の後、あゆむくんがそれを着けてる写真をなうでアップしてさ、嬉しくて嬉しくて、泣いたんだ。
去年の6月23日、ライブでペットボトルとったなぁ。ライブ終わりに、みんなといっぱい話して、キャップにサイン貰った。あの時あゆむくんが私に言いかけた言葉、なんだったんだろう。
はじめて最前で見た、去年の9月、サインボール取ったこと。れいにゃんと2人でうわーってなって、ずっと部屋の宝箱に仕舞ってる。そのツアー、はじめての東名阪全通だったなぁ。あゆむくんさ、私の靴に不機嫌になったの、覚えてる? あれ、面白かった~。
バショトリオトメのインストアイベント、浜松で月の土地渡したよね。そのあとの原宿でのインスト、私とれいにゃんだけ何回も何回もグルグル回ったな~。
去年の10月30日、いっぱい泣いた(笑)それであゆむくんとスタッフのお姉さんとお話ししてさ~。あの時、優しい言葉くれて、ありがとう。
でもね、最後にちゃんとれいにゃん連れてきたよ!

他にもいっぱい思い出あるよ。あゆむくんはどれくらい覚えてるかわかんないけど!
全部全部思い出。今日のこのメッセージさえも、思い出になっちゃう。やだな。

あのね、ラストワンマン、すごくすごく良いライブだった。
PIECEらしいとか、そういうの、よくわかんないけど、私にとっては良いライブだった!
行って良かった。だってあんなに格好良いみんなのこと、あんなに近くで観れたんだよ。羨ましいでしょo(^▽^)o
酸素缶、まさかくれると思わなかった(笑)

もうこれから、あゆむくんにタバコを差し入れることも、プレゼントをあげることも、手紙を渡すことも、インストアイベント行くことも、ライブ行くことも、撮影することも、ないのかな。
月の土地のこと、話してくれたの嬉しかった。
最後に抱きしめてくれたときさ、抱きしめ返したの、はじめてだったの、知ってた?
最初で最後。絶対忘れない。絶対絶対忘れない。

私、あゆむくんのこと、本当に好きだった!ていうかこれからも好きだよ!
あゆむくん以上に好きな人出来ないと思う。あゆむくんより格好良いバンドマンなんて現れない。断言できる。絶対!

最後にさ、わがまま言ってもいい?

あのね、私のこと、忘れないで。

今までありがとう。あゆむくんは、私の、大切。あゆむくんが、私たちの幸せを願ってくれるなら、私はあゆむくんの幸せを願う!あゆむくん、大好き!
少しでも伝わればいいな。
おやすみ。また会おうね。

僕たちはもう走り出している

名前ってなに?薔薇と呼ばれる花を別の名前にしても、美しい香りはそのまま。ーロミオとジュリエット


PIECEラストワンマン、終わってしまった。
あやのの代わりに整理番号一番だったもんで、あゆむくんのド前いただいてきました。
Lieのとき、いきなり目の前にいたから、普通にびっくりして、なんかそのあとあゆむくんと二人で笑いあったりした。
フリ覚えない人だから、フリわかんないとこ多くて、その度に隣のれいにゃんと顔あわせて笑ってた。

あゆむくん、ずっとかっこよくて、本当、かっこよくて……。
私、あゆむくんのこと好きだった。そりゃもう、好きだった。
ブレスレットも、iPhoneケースも、使ってもらえて、ブレスレットは気に入ってもらえたのか、あげた直後からずーっと着けてくれてて、PV撮影のときにも着けてて、しかも2つの曲で……。
月の土地のことも話してくれて、全部全部あゆむくんとの大切な思い出で、……思い出になってしまう。全部。

もうタバコ差し入れすることも出来ないし、プレゼントをあげることもないし、チェキ撮影も出来ないし、インストももちろんなくて、あんなに楽しかったライブももう行けないなんて、どうしたらいいんだろう。

最後の挨拶みたいなやつで、みんなに申し訳ないって言いながら声震わせてて、あーこの人はずっと罪悪感に苛まれながら今日やってたのかなぁって思った。
ずっとギター弾きながら唇噛み締めてたのはそういうことだったのかなぁって。
「格好悪い終わり方で」、って言ってた。格好悪かった。でも世界一格好良かった。
今までで一番格好良かった。

これからみんなが何者になるのかわからなくて怖いって、手紙に書いたけど、昔読んだ本に書いてあった言葉を思い出した。

「名前ってなに?薔薇と呼ばれる花を別の名前にしても、美しい香りはそのまま」

あゆむくんは、あゆむくんのままだ。なにも怖いことなんてない。
きっと一生あゆむくんのこと、好きで居続けると思う。あゆむくんよりもかっこいい人なんで絶対もう現れない。
マジで!断言できる!あゆむくん世界一かっこいいよ!!!

最後の最後に、ギューって抱きしめられて、はじめて抱きしめ返した。最初で最後。絶対忘れない。

2014/7/28
白鳥座の星に、PIECEという名前がつきました。
おつかれさまでした。